前立腺がん PSA 検査 転移 手術 生存率 放射線 保険『がん治療体験記.2017』
なっちゃったんですよ癌に。私が。マジで。
青天の霹靂と言うか、言葉が見つからない!と言うか。
プロフィールにも書いてあるとおり、
健康には人一倍、気を使うタイプなんです。
健康に対する意識は若いころから結構高くて…
というより体育会系の運動crazyでした。
スポーツ遍歴は割愛しますが、
生まれてから半世紀が過ぎ、無理は出来ないけど
ジムだのマラソンだの頑張ってきました。
人間ドックだって毎年1回。
会社の定期健康診断と合わせると
年に2回は健康診断を受けていました。
身体で何か気になることがあれば、
迷わず病院を訪ね、
薬だって気にせずガンガン飲んじゃう。
そんな私が……
“―――― 癌 ――――”
どうしよう・・・
治るの・・・?
治らないの・・・?
俺、死んじゃうの・・・?
残された家族・・・
我が家に君臨する妻は・・・?
低学歴・四流、就学中の息子と娘は・・・?
老いてますますピンピンしている両親は・・・?
仕事は・・・?
収入は・・・?
どうしよう・・・?
生命保険や医療保険はかけていたけど、
ガン特約とか、ガン保険は未加入。
命は大事だけど、懐具合が心細い。
そんな私の
闘病記というか、ガン治療の記録です。
最期までお付き合いくださいね。
目次
PSA検査の数値が上昇
PSA検査はご存知ですか?
前立腺がんの指標としてPSA検査があります。
PSA検査とは何なのでしょうか?
人間ドックのオプションで前立腺がんマーカー検査(PSA検査)というのがありました。
この数値が1.0ng/ml以下なら問題はありません。
4.0ng/ml未満が基準値とされ、それを越えるとグレーゾーンに突入です。
グレーゾーンですが、約25~30%の人に、
前立腺がんが見つかるといわれています。
PSA値が高くても、前立腺がんとは限らない
PSA値は、前立腺肥大症でも高くなります。
PSA値は、あくまで前立腺がんを発見するきっかけとなる基準です。
実際、PSA値が高くても、がんがみつからない人が100万人いるといわれています。
PSA10.0ng/ml 以上で生検をしてもがんが検出されない人もいます。
PSA値が基準値でも、前立腺がんの可能性が
逆にPSA検査で異常がなくても、小さい前立腺がんが隠れている可能性や、
将来前立腺がんへと進んでいく可能性もあります。
がんがあってもPSA値が高くならない場合もあり、
そのようなケースが全体の2~3%は存在します。
さらにこのような前立腺がんはたちの悪いものが多いと言われています。
PSA数値上昇の目安
前年と比べて、0.75ng/ml 以上上昇したら、がんの可能性が高まる。
PSA値が基準値でも、まったく前立腺がんの疑いがないとは断言できません。
基準値の範囲内でも、前回測定した数値がいくつかによって判断が変わってきます。
数値の増加が大きかったら、がんに罹っている可能性は高くなります。
1年で0.75ng/ml 以上上昇したら、または、2年で2倍以上になったら、
がんを疑えとも言われています。
基準値内でも毎年上昇が見られたら、これもまたしっかり経過を見ていく必要があります。
私はすでにグレーゾーン
私のPSA数値
5年前の人間ドックで既にPSA数値が4.7ng/mlとグレーゾーンでした。
6年前は大丈夫だった訳ではなく、
PSA検査が5年前から無料オプションになったから、
検査してもらったらグレーゾーンだったということです。
そして再検査へ
再検査は直腸診と超音波検査、造影MRI検査です。
異常なし。
やや前立腺が肥大ぎみ。との事でした。
4年前の人間ドックでPSA数値が上昇、
5.3ng/mlとまたグレーゾーンでした。
また再検査。
直腸診と超音波検査、造影MRI検査です。
異常なし。
今回もやや前立腺が肥大ぎみ。との事でした。
毎年、毎年、再検査
3年前の人間ドックではPSA数値が、
4.8ng/mlとまたグレーゾーンでした。
また再検査。
直腸診と超音波検査、造影MRI検査です。
異常なし。
今回もやはり前立腺が肥大ぎみ。との事でした。
2年前も1年前も同様の結末を迎えました。
『ドク』との出会い
≪2016年11月24日(木)≫
今年の人間ドックは“ランチチケット付き”に釣られて、
初めて受診するクリニックへ。
あぶないタイプの先生?
ここクリニックの先生の第一印象が、
マッドサイエンティストと言うか…、
バック・トゥ・ザ・フューチャーの
エメット・ブラウン博士(通称ドク)を
彷彿させる風貌で、
…想像してたのと違う…。
さらにクリニックの壁には所狭しと
権威を象徴するかのような各学会の症状がズラリ!
東洋医学〇▲※~なんてのもあります。
あ、やっべ。
と思ったのですが、まな板の上の鯉。
人間ドックの検査はひととおり事なきを得、無事終了。
PSA検査の結果は覚悟していました。
普通、人間ドックの検査結果は郵送されてきます。
再検査が必要な場合は紹介状が同封されてきます。
ドックの『ドク』から直電が!
≪2016年11月30日(水)≫
ところが、今回は『ドク』から直接電話があり、
「PSAの結果が良くないから来てください」
紹介状同封ではなく「来い」は
初めてのパターンだから、
クリニックに出向くことにしました。
結果は分かっていました。PSA以外は良好。
PSA数値は6.7ng/mlに上昇していました。
『ドク』はこれまでの人間ドックでの前立腺再検査遍歴を聞き、
親身に心配してくれて、直接MRIの予約を入れてくれました。
≪2016年12月7日(水)≫
指定日にMRIを受け、その帰り道に『ドク』のクリニックへ。
MRI画像を見ながら『ドク』はガンらしきものは何も映ってない!
MRIに映っていない
またまた前立腺肥大とやらだろうか。と思っていましたが、
『ドク』はPSA数値の上昇幅が気に入らない!怪しい!と。
私は前立腺の専門医ではないから何とも言えないが、
この上昇幅は良くない。
もしガンだったら急を要する。
早急に手を施さなければ取り返しがつかない!
ここは、専門医を紹介するので、受診してみて欲しい。と。
『ドク』は前立腺がん治療の権威が在籍する病院名をいくつか挙げてくれました。
遠い病院もあり、どうしたものかと考え込んでしまいました。
『ドク』は、近隣で任せて安心できるのはこの病院の〇〇先生だ!
この〇〇先生は前立腺の治療では全国的にも有名だ。
私は『ドク』に全てを任せることにしました。
よろしく、お願いします。
『ドク』が直接 診察予約を
『ドク』は紹介状を書くでもなく、その場で早速病院に直電!
◆◆(ドクの本名)だけど、〇〇先生の診察予約を入れて欲しんだ。
話しはトントン拍子に進みなす。
早速、明後日の朝に受診することになりました。
恐るべし。『ドク』いったい何者なんだよ。
『ドク』とのくだりはここで一旦終了。
大病院を受診
≪2016年12月9日(金)≫
『ドク』が診察の予約を入れてくれた2日後、
当日は有給休暇をとって、MRI画像を持って〇〇先生の診察に出向きました。
問診と画像を見ながら〇〇先生は、
前立腺肥大の疑いですが、そんなに肥大はしていない。
むしろPSA数値の上昇率が気になる。
もう一度、血液検査をしましょう。
さすが大病院、待ってる間に血液検査の結果が…、
7.596ng/ml…また上昇してる。
(ここは大病院、数値は小数点以下3桁までいきます)
〇〇先生は、この上昇率はよろしくありません。
MRIにう映っていないのなら、
早急に手を打つ必要はありまんが。
しかし、数値的には検査は必要です。
CTスキャナで撮影しましょう。
CTスキャナにも映らず
≪2017年1月20日(金)≫
血液検査もCTスキャナもあっという間に終了。
さすが大病院、てきぱき進みます。
≪2017年1月23日(月)≫
検査結果を聞きに、ふたたび〇〇先生の診察。
何も映ってないですね!
もし前立腺ガンであっても相当小さいのでしょう。
前立腺ガンでない可能性もありますが、
前立腺肥大や前立腺炎ではなさそうです。
このままPSA検査だけ続ける
「無治療経過観察」という方法もあります。
しかし、一度、「生検」をされてはいかがでしょうか。
無治療経過観察か生検か
う~ん「無治療経過観察」か、
もし「無治療」のまま年月が過ぎて、
年齢がかさんで定年後にガンが発見されると
これはこれで健康保険とか
生命保険とか体力面とか
何やらかんやら厄介なことになるな。
「先生、生検お願いします」
痛い痛い生検
≪2月17日(金)≫
いよいよ「生検」の日がやってきました。
大病院を受診して約2カ月後のことです。
当日は朝から病院に入り手術着に着替え検査に臨みます。
美しい看護師さんから浣腸されました。
美しい看護師さんから
尿道カテーテルも突っ込まれました。
もう、どうにでもして。
検査は背中から麻酔針をブチ込む半身麻酔をうけ、
妊婦さんが出産するような分娩ポーズにさせられ(恥ずかしい!)
標本を採取するために長い針を
前立腺に22本ブチ込みます。
この大病院の長所ですが、
だいたい通常の生検では12本程度だそうです。
この病院は精密さを求めるため、
22本の出血大サービスです。
麻酔が効いていて、
針を突っ込まれている時は
なにかがヌプヌプ入ってくる感じが…、
パチン!と音がして引っ張られる感じが…。
たぶんパチン!で組織を引きちぎっているんでしょう。
検査が終わり病室へ。4人部屋でした。
個室なら費用がかかりますが、健康保険組合から補填金が出ます。
知らなかった! 総務部で聞いておけば良かった。
夜中に麻酔が切れて、激痛に襲われます。
背中の麻酔の痕が痛くて痛くて、
ナースコールを押して、鎮痛剤をもらいなんとか収まりました。
翌朝、すっきり爽快。
どこも痛くない。
もちろん生検の部位も全く痛みはありませんでした。
さっさと退院しました。
検査結果が出た
≪2017年2月14日≫
生検から一週間後、検査結果を聞きに病院へ。
巷ではバレンタインデーです。
しかし、
〇〇先生から悪魔のような言葉が
癌細胞発見!
「残念ながら出てしまいました」
「悪性です」
「ステージはT1cです」
ガガ~~ン!!!!
ここまでくれば覚悟はできてはいましたが…
詳しく聞くことに…、
検査針の間隔は約2mm。
22本のうち、2カ所から1mm弱の悪性組織が。
ということは悪性腫瘍自体の大きさは
1mm程度のものが2カ所、または2mm以内のものが1カ所です。
前立腺がんの病期分類
前立腺がん病気分類「TNM分類」 | |
T1 | 直腸診、画像検査でもがんは明らかにならず、前立腺肥大症や膀胱がんで手術を受けて偶然に発見された場合 |
T1a | 前立腺肥大症などの手術で切り取った組織の5%以下にがんが発見される |
T1b | 前立腺肥大症などの手術で切り取った組織の5%を超えた部分にがんが発見される |
T1c | 針生検によってがんが確認される(がんは検査で発見できないほど小さい) |
T2 | 前立腺の中にとどまっているがん |
T2a | 左右どちらかだけにがんがある |
T2b | 左右の両方にがんがある |
T3 | 前立腺をおおう膜(被膜)を越えてがんが広がっている |
T3a | 被膜の外にがんが広がっている(片方または左右両方) |
T3b | 精のうにまでがんが及んでいる |
T4 | 前立腺に隣接する精のう以外の組織(膀胱の一部、直腸など)にがんが及んでいる |
N0 | 所属リンパ節への転移はない |
N1 | 所属リンパ節への転移がある |
M0 | 遠隔転移はない |
M1 | 遠隔転移がある |
T(tumor):
「がんが前立腺のなかにとどまっているか、それとも周囲の 組織や臓器にまで広がっているか」を表します。
N(nodes):
「リンパ節転移があるかどうか」を表します。
M(metastasis):
「離れた組織や臓器への転移があるかどうか」を表します。
例えば「T2N0 M0」なら、 「がんは前立腺に限局しており、リンパ節転移も遠隔転移もない」という意味です。
さらに悪性腫瘍の悪性度を示すグリソン分類(グリソンスコア)
私の場合グリソン分類は2+3の5でした。
治療方法はどうする
〇〇先生は組織の悪性度は高くなく、
進行性でもありません。
今すぐ暴れ出すことはないでしょう。
「無治療経過観察」でもかまいません。
積極治療となると全摘。
ダヴィンチというロボット手術もありますが、
腫瘍が小さいので正常な組織を削ってしまうことになります。
このケースではおすすめできません。
ホルモン療法は論外です。
ホルモン療法は10年程度で効力を失います。
手術が出来ないほど悪化しているか
高齢で手術が難しい場合に限ります。
全摘って、大手術になるし、
前立腺の直径が2.7cm程度、尿管ごと切り取るので
おチンポが2.7cm中に引っ込むことに…
さらに精巣ごと取り去るので、
男とはオサラバ。
ありえない。それでなくともお粗末なのに、
誰に見せる訳ではないけど、絶対ありえない。
将来、年老いて介護されるとき
極短の粗チン(今でもそうですが)は
恥ずかしい。
〇〇先生は「無治療経過観察」をすすめます。
心が傾きかけたときに、
「小線源療法も効果があります」
小線源療法(ブラキセラピー)
し、小線源療法?何ですかそれは?
ブラキセラピーとも言い放射線療法のひとつで、
小さな小さな放射線源を驚くほど多数
前立腺に直接埋め込む治療方法です。
放射線の外照射の場合ターゲットとなるガンを外から狙うので、
前立腺以外の正常組織や臓器には極力放射線を当てないようにする必要があります。
しかしどうしても直腸や膀胱に放射線が当たることになるのです。
小線源療法の場合は他の臓器に放射線の影響が出ることが極力抑えられます。
つまり、ダイレクトにターゲットのみを攻撃することができるわけです。
「先生、決めました。ぜひ“小線源療法”お願いします!!」
事前検査(プレ検査)
≪3月13日(月)≫
前立腺小線源療法にはプレ検査があります。
これは線源を挿入する寸前までを予行することです。
同時に前立腺の立体映像を作成します。
麻酔もします、尿管かカテーテルも入れます。
手術だけはしないけど、他は手術と全く同じことをして
前立腺の位置をコンピューター上で確定させます。
これにより埋め込む小線源の量やそれぞれの長さを決めます。
プレ検査の前に多臓器転移の検査をします。
骨シンチという骨転移の検査もします。
頭の先からつま先まで徹底的にがん検診をする訳です。
幸い私は転移も無く。
プレ検査も順調に終わりました。
半身麻酔にも慣れたようで、
痛みは少なく、翌朝退院しました。
いよいよ手術本番
≪2017年4月1日(土)≫
午後から入院です。
といって土日は診察も何もありません。
月曜日が手術日なので、
その準備をするわけです。
暇で暇で、パソコン持って来てて良かった。
剃ったよアソコの毛
夕方、看護師さんが
「手術後に大きな絆創膏を鼠径部に貼ります。
はがすとき毛がくっつくと痛いので
剃りま~す。」
「呼ばれたらナースセンターに来てください。」
え? …剃られるの?
恥ずかしさ半分、ドキドキワクワク半分で
ナースセンターに。
「はい、これ!」
電池式のバリカンを手渡されました。
自分で剃るんだ…
スゴスゴとシャワー室に行き、
全裸になって又ぐらをのぞきこみながら、
バリバリジョリジョリ。
痛ッ!! 玉袋に刃が引っかかった。
ちょっぴり血が…
何で、こんなことしてるんだ俺。
剃り落とした毛を、かがみこんで手でかき集めゴミ箱へポイ。
なんか、みじめだなぁ。
翌日は朝ごはんを食べて、
ボーっと過ごして、
お昼からは絶食。
美しい看護師さんから浣腸ぶち込まれました。
手術の日
≪2017年4月3日(月)≫
朝から美しい看護師さんが、
「今からバルーン入れます!」
バ、バ、バルーン???
毛剃って、浣腸されて、
この上、何を入れるんだ?
尿道カテーテルのことでした。
手術着に着替え、点滴刺されて、
エコノミー症候群防止のための
真っ白いギュッと締まるハイソックスも履きます。
いよいよ手術室に向かいます。
病室のベッドに寝かされ、
廊下をゴロゴロ。エレベーターに乗せられ、
手術室へ。
すごい数の先生と看護師さんが待機。
先生が3人、麻酔医の先生1人、
看護師さん2人、麻酔医の助手先生1人
いよいよ感が増してきました。
背中に半身麻酔を打たれます。
あの分娩ポーズをとらされます。
もう慣れました。
いよいよ放射線源を挿入
麻酔が効いてきて、局部の感覚はありません。
小線源を挿入する機械とコンピューター
がセッティングされ、
先生が位置とサイズを読み上げます。
立合いの先生が復唱します。
もう一人の先生も復唱します。
三重の確認作業です。
慎重すぎるほど慎重です。
グリグリと押されるような感覚があります。
おそらく小線源を埋め込んでいるのでしょう。
これを80回以上慎重に繰り返す訳です。
私は途中で眠くなってきました。
ぐっすり寝込んだようで、
手術が終わり、ベッドに戻される時点で
起こされました。
2時間以上が過ぎていました。
無事手術完了
〇〇先生が、
「無事、完了しました。」
「線源は計画通りすべて予定の位置に埋め込みました」
「全部で88本です!」
「後程、術後の生活の説明をします。」
私は深々と頭をさげることができないので、
慇懃に感謝の言葉を述べ、
ベッドに乗せられ病室に戻りました。
その日から個室です。
一応、身体の中に放射線源が入っているので、
大部屋に、いさせてもらえなくなりました。
翌朝、目が覚めて、身体にまったく違和感はありません。
直径2.7cmほどの前立腺に88本もの線源が入っている!
線源が入っている感じは全くありませんでした。
ガイガーカウンター
ご存知ですよね。
放射線に反応してメーターの針がブワっと振れて、
ガ・ガ・ガ・ガー て鳴るやつ。
男性の看護師さんが
それをもって病室に入ってきました。
鉛のベストを着ています。
スイッチを入れると、すでにガーガー
私に近づくとガ・ガ・ガ・ガ
大丈夫ですね。と言って出て行きました。
思い出ノート?
入院時に看護師さんから預かったノートに目を通します。
入院患者さんの日記というか、思い出ノートというか、
そんなノートです。
私のような年齢(50代なかば)で、前立腺ガンになる人は少なく、
だいたい65歳あたりから70歳代が中心でした。
なかには49歳の方もいらっしゃって、
その人はいきなりPSAの数値が高かったようで、苦悩されたみたいです。
年齢が高いほど、PSA検査を受けずに別の形で前立腺ガンが見つかり、
治療に苦労されているのが伝わってきました。
前立腺ガンは自覚症状が無いので、血尿とか、排尿困難とか、
症状が出たときは、すでに相当、進行しているようです。
ほんとに怖い病気です。
私も人間ドックではなく、
定期健康診断だけでは見落としていた可能性があります。
最近では定期健康診断でもPSA検査が付加されているようですが。
私も今回の手術にあたり、先生への感謝、
看護師さんへの感謝、職員さんへの感謝を
記させて頂きました。
そうこうしているうちに
家内と娘が見舞いに。
切ったり張ったりの大手術じゃないから
別に来なくてもいい。
何かあればLINEするから。
と言っていたのですが。
マクドナルドのハンバーガーとポテトを手に
病室に入ってきました。
心配はしていたようで、
私の様子を見て
安心した顔で、繁華街に買い物に出かけていきました。
今後の説明
病室に〇〇先生がやって来て、
いろいろ、注意事項の説明がありました。
まず、線源が体外へ漏れ出た場合、
この金属のケースに入れて、病院へ持って来てください。
と、ずしりと重たい小さなケースを渡されました。
他に色々諸注意があり、
カードを渡されました。
『ヨウ素125線源永久挿入による小線源治療者カード』
・私はヨウ素125線源永久挿入による前立腺がん小線源療法を受けています。
・体外での放射線の量は非常に低いため、私の周囲での危険はありません。
・緊急時の医療処置は通常通りしていただいて結構です。
・治療後1年間は死亡した際に前立腺とともに線源を摘出する必要があります。
・このカードを見られた方は裏面をお読みになり、記載された連絡先まで至急ご連絡くださいますようお願いいたします。
私はこのカードをその後、お守りのように後生大事に
肌身離さず持ち歩くことになるのです。
晴れて退院
≪4月5日(水)≫
朝イチ、退院の準備をします。
○○先生が回診に見えられ、
看護師さんが部屋の点検、忘れ物の点検をして、
いよいよ退院。
体調も良く、どこにも痛みは無い。
尿道カテーテルも上手に抜いて頂いた。
お薬も無い!
支払いを済ませ、病院をあとにすると、
とたんに腹が減ってきて、時計を見ると11時前。
よし、頑張ったから自分にご褒美だ。
柔らか熟成肉の牛カツランチにしました。
美味い!
シャバの空気は格別だぜ~!
気になる手術費用は
手術完了までの費用
ガン保険に入ってなかった
医療保険には加入していました。
この保険により手術費用として
50,000円が振り込まれました。
さらに入院が5日間で25,000円。
医療保険からの振り込み合計は75,000円でした。
もし、がん保険に入っていれば…
がんと診断された時点で一時金が100万円。
手術・入院・通院にも対応。
さらに、その後の保険金の支払いは不要。
保証は生涯続く。と、いいこと?づくめ。
今さらながら悔やまれます。
それと、外資系の生命保険に入っているんですが、
今回の話しを電話オペレーターに相談したんですが、
私のケースでは全くかすりもしませんでした。
備えあれば憂いなし!
私は備えてなかったので、ギリギリ切り詰めました。
生命保険、医療保険、全部まとめて見直してやる!
年齢を重ねると病気が出てくる
★同年代の社員が私と同じ時期に肺がん2名、乳がん1名。
うち肺がんを患ったひとりはリンパの腫れを放ったらかしていて、
脳、肝臓に転移していました。
ヤツも私と同じラグビー野郎で、
しかも大学一部リーグでフォワードを張っていたツワモノです。
ちなみに私は“なんちゃってラガー”ですが。
そんな体力抜群な輩でもガンになるんです。
恐ろしいです。
★持病やがん経験があっても入れる保険があるので、
それを探して、絶対にがん保険に入りますよ。
手術後経過検査
手術1カ月後
≪2017年5月1日(月)≫
世間様はゴールデンウィークです。
血液検査、PSA検査です。
手術前:5.695/ml(ピークは7.596/ml)が、
1カ月後:3.576ng/mlに。
〇〇先生は経過は良好です。
今後まだ下がってきますよ。と。
エコーも尿検査も問題ありませんでした。
激しいスポーツはもうすでに引退しています。
別に目標はありませんが、体力維持のためランニングを再開しました。
5kmで膝はガクガク、ふくらはぎパンパン、太ももブルブル。
ま、のんびり行きましょう。
手術3カ月後
≪2017年7月3日(月)≫
夏です。
血液検査、PSA検査です。
前回(手術後1カ月):3.576ng/mlが、
3カ月後(手術後3カ月):1.208ng/mlに。
スゲ!激減!
〇〇先生は順調ですね。
では次回は3か月後で。
ただ、内臓脂肪の数値が高めですよ。
ウオーキングとか運動してください。
いや、ランニングしてるんっすけど。
10km行ってますよ。
ただし1時間以上かかってますけど。
手術6カ月後
≪2017年10月2日(月)≫
人事異動にひっかかりました。
新部署に異動の初日から休んで、病院です。
大病を患ったんだから、休みますよ!
血液検査、PSA検査です。
前回(手術後3カ月):1.208ng/mlが、
3カ月後(手術後6カ月):0.913ng/mlに。
0桁に突入だ!
舞い上がりたい気分です。
○○先生は医師が大丈夫とは言えないんですが、
まあ大丈夫でしょう。と。
次回の検査は年が明けた1月10日(水)です。
【所見】
いやはや驚きました。このSPA数値には。
それより何より、
『ドク』と出会わなかったらどうなっていたことか。
次の人間ドックは迷わず『ドク』のクリニックへGO!
手術の報告もしなければ。
でも、『ドクには』脅かされたなぁ。
「全摘、もしくは半分摘出」
「あきらめることだな!」
「人間いつかはこういうことになるんだから」
MRIに映ってないのに何で脅かすかなぁ。
人間ドックもちゃんと選ばないと…
高級ホテルに入っている とか、
お昼のランチにイイものが付いてる とか
新しくて綺麗だから とか
で、選んじゃダメですよ。
要はドクター!
ドクターが親身になって対応してくれる人間ドックを選んでください。
私の場合、『ドク』のクリニックに行かなかったら、
今頃、どうなっていたことか。
寿命に影響を及ぼさないガンもある
前立腺がんのなかでも、特に悪性度の低いものは進行が遅く、
生命に影響を及ぼさないことが少なくないようです。
がん以外の病気で亡くなった男性を解剖すると、
70歳を超えた人の20~30%、80歳を超えた人の30~40%が、
前立腺がんを持っているといわれます。
解剖によって初めて見つかるがんを「ラテントがん」と呼びます。
そのほとんどが、おとなしい高分化腺がんです。
その一方で、進行の速いがんもあるので、
自分のがんがどういう性質なのかをよく知って、治療を選択する必要があります。
私の場合、ひょっとしてこの「ラテントがん」だったのかも知れません。
ラテントだろうが何だろうが、毎年、再検査は精神上よろしくありません。
私は手術して正解だったと自分に言い聞かせてます。
ランニングも再開したけど10km以上は膝が…
それに加えて五十肩で左腕が振れない。
来年はフルマラソン復活。と思っていたけど、
身体はだいぶガタついえるし、
よし、とりあえずハーフマラソン出場が目標だ。
☆今後、記事は検査ごとに追加します。
2018.1.10 追加
手術後9ケ月の検査済ませたので追記します。
PSA検査の結果を時系列で…
2016年11月
人間ドック(2016.11.24):6.3/ml
再検査時(2016.12.9):7.596/ml(ピーク)
手術当日(2017.4.3):5.695/ml
手術後1カ月(2017.05.01):3.576ng/ml
手術後3カ月(2017.07.03):1.208ng/ml
手術後6カ月(2017.10.10):0.913ng/ml
手術後9カ月(2018.01.10):0.881ng/ml
と、快調そのもの。
完全に普段通りの
性 あ、いやいや生活です。
次回の検査は手術後1年目の4月11日。
[久しぶりに追記]
手術後1年(2018.4.11):0.677ng/ml
※五十肩もいつの間にか回復したので、ジムに入会しました。
筋トレです。無酸素運動のあと、ランニングマシンに乗って有酸素運動。
安静にしすぎてブヨブヨになった身体を締め上げます。
手術後1年3カ月(2018.07.12):0.677ng/ml
手術後1年6カ月(2018.10.11):0.717ng/ml
手術後1年9カ月(2019.1.17):0.749ng/ml
手術後2年(2019.4.3):0.744ng/ml
その後は更新し続けよう。
[さらに追記]
久しぶりに追記です。
3か月ごとの検査が半年ごとになりました。
手術後2年6カ月(2019.09.26):0.667ng/ml
手術後3年(2020.04.09):0.511ng/ml
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。
とにかく、どんな病気でも早期発見、早期治療が肝心ですね。
忙しいでしょうが、おっくうがらずに、病院へ行きましょう。
それから、治療中の皆様にお見舞い申し上げます。
私のような序の口で済んだ人間が「体験記」や「闘病」などと、
偉そうに申し訳ございません。
しかし、早期発見・早期治療の一助となれば幸と思い、
この体験記を記した訳で。
ご理解くださいますようお願い申し上げます。