花粉症と関連深い野菜アレルギーの原因と対策
目次
野菜アレルギー 花粉症の人は特に注意を
花粉症に悩む方の一部が、
生の果物や野菜を食べた時に
口の中やのどの痒みなどを感じることがあります。
これを花粉-果物アレルギー症候群(PFAS)といいます。
PFASの原因となる野菜や果物の多くは
特定の花粉と交差抗原性があります。
「交差抗原性」とは下記のように
シラカバ花粉と
バラ科果物(リンゴ、モモ、スモモ、サクランボ、西洋ナシなど)
とか、
ブタクサ花粉と
ウリ科果物・野菜(メロン、スイカ、キュウリなど)がある。
のように関連性のあるアレルゲンと言うことです。
違和感を感じたら摂取を中止すると
症状がおさまるりまる場合がほとんどです。
しかし、微量でアナフィラキシーを起こすものもあり、
注意が必要です。
原因となる食物は、キウイ、バナナ、モモ、リンゴなどです。
アレルギーの原因になる野菜は
1.タマネギ(玉葱)
ミネラルに注意
タマネギには血液の循環を改善する
ミネラル成分が含まれています。
このミネラルがアレルギー反応を起こす原因の一つです。
タマネギアレルギーの症状は次の通りで、
食べてすぐに現れるのが特徴です
◆嘔吐
◆下痢
◆胃痙攣
◆蕁麻疹(玉ねぎに触れただけでも発生します)
◆呼吸器系の炎症
◆アナフィラキシー(一部のケースのみ)
ほうれん草
ヒスタミンが引き起こす
ほうれん草には、体内でホルモンや
血管拡張,血圧降下作用、神経伝達物質として作用する
化学物質であるヒスタミンが豊富に含まれています。
ほうれん草に含まれるヒスタミンは、
体内の炎症過程で大量に放出されると、
アレルギーの主な原因物質になります。
◆発赤・かゆみ
◆浮腫(ふしゅ)
◆痛み
◆気管支収縮など
ニンジン
花粉との親和性が大
花粉へのアレルギーのある人は
ニンジンにもアレルギーがある可能性があります。
カロチン、ビタミンA、カリウム、食物繊維、
カルシウムや鉄分、リンなども豊富に含む
健康野菜ですが、
ニンジンに含まれる、アレルゲンとなるタンパク質が
花粉と似ていることがその理由です。
このアレルゲンとなるタンパク質は
調理をしてもなくならないため、
以下の症状が現れる可能性があります
◆アナフィラキシー(呼吸困難、低血圧、意識喪失)
◆心拍数の増加
◆不安
◆混乱
◆めまい
セロリ
カバノキの花粉と同じ
セロリはβ-カロテンを含み抗酸化作用の強い野菜です。
特に目の保護や目の病気に働きかけてくれます。
セロリはカバノキの花粉と同様の
アレルギーを引き起こしますが、
生でも調理されても、
皮膚炎からアナフィラキシーまで幅広く
アレルギー反応を引き起こす危険があります。
セロリの接種後に紫外線をあびると
以下の病気を発症する危険もあります
◆ライム病
◆喉頭浮腫
レタス
葉に病原性細菌が付着
レタスの摂取がアレルギーの原因となることがあります。
レタスを食べてアナフィラキシーを
引き起こすだけではなく、
レタスの葉に付着した様々な病原性細菌が
アレルギー症状以外の病気を併発するリスクもあります。
レタスにアレルギーがない場合でも、
これらの細菌を完全に除去するために、
沸騰した水や酢でレタスを慎重に
消毒する必要があります。
ニンニク
症例は少ない
アレルギーの症例は非常に少ないですが、注意が必要です。
ニンニクアレルギーは軽度のものが多いですが
中には致死的な症状を発症する場合もあります。
ニンニクアレルギーの一般的な症状は次のとおりです
◆皮膚の過敏症
◆舌または場合によっては声門の腫れ
◆腹痛
◆下痢
◆吐き気と嘔吐
◆アナフィラキシー
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
注目されている食物アレルギーとして
「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」があります。
多くの場合、原因となる食物を摂取して2時間以内に
一定量の運動(昼休みの遊び、体育や部活動などさまざま)
をすることによりアナフィラキシー症状を起こします。
運動によって腸での消化や吸収に変化が起き、
アレルゲン性を残したタンパク質が
吸収されてしまって起きると考えられています。
発症した場合には、じんましんからはじまり、
高頻度で呼吸困難やショック症状のような
重篤な症状に至るので注意が必要です。
原因食物の摂取と運動の組み合わせで発症するため、
食べただけ、運動しただけでは症状は起きません。
何度も同じ症状を繰り返しながら、
この疾患であると診断されていない例もみられます。
対策
新しい治療法
経口免疫療法に注目
経口免疫療法は、経口負荷試験を行い
症状が誘発される(腕などに出る発疹)の量を調べ、
その量を基準にして、
専門の医師の管理のもとで
段階的に食べる量を増やしながら、
最終的に耐性を獲得する新しい治療法です。
これまで耐性獲得を待つか
対象の食べ物を遠ざけるしかなかった
重い食物アレルギー患者さんにとって、
経口免疫療法は画期的な変化で、
多くの患者さんがその効果に期待しています。
テレビで取り上げられる情報は“効果”を強調し過ぎて、
“副作用”が置き去りにされています。
経口免疫療法には、
アナフィラキシーショックを含めた
症状を誘発する危険性や、
思いもよらない副作用の危険性があります。
また、本人や家族のストレスも相当で、
決して自己流でできるものではありません。
経口免疫療法に取り組みたい場合は、
専門の医師に相談してください。
免疫成分に注目
お米などに含まれる「リポポリサッカライド」という
免疫成分があります。
LPS(リポポリサッカライド)は免疫ビタミンと呼ばれ、
体が本来持っている「自然免疫力」を強化し、
病気やウィルスに負けない体作りに役立つといわれています。
この成分は、漢方薬などに多く含まれてますが、
実は、身近な食べ物からでも摂取することができます。
その代表例が玄米です。
しかし、薬効といわれるくらい摂取するには
満腹以上に食べる必要があり(というより物理的に不可能)ます。
この成分を効率よく摂取し、
免疫力を高めることでことで、
健康的で普通の生活を送るための一助にしてください。